ANAホールディングス傘下のLCC(格安航空会社)ピーチ・アビエーションが27日発表した2018年3月期決算(17年4月〜18年3月)は、増収減益だった。路線の拡大で売上高は過去最高を更新。5期連続の黒字だったが、採用増で人件費がかさみ利益を押し下げた。減益決算は11年2月の創業以来初めて。

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(初の減益決算となったピーチ/公式Twitter)

旅客収入は国際線が国内線を抜く

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売上高に当たる営業収入は前期比5.9%増の547億4000万円だった。昨年9月に仙台空港を関空、那覇に続く第3の拠点空港に定めた。同月に札幌(新千歳)発着で仙台、福岡、台北(桃園)、仙台ー台北(桃園)線と一挙に4路線を開設した。今年3月1日には関空ー新潟線に就航。こうした相次ぐ新規路線が増収に貢献した。訪日客の利用が順調に伸び、旅客収入で初めて国際線が国内線を追い抜いた

一方で営業利益は8.1%減の57億9300万円。経常利益は5.4%増の56億7700万円と微増だったものの、純利益は24.6%減の37億2800万円で着地した。営業利益率は前年の12.2%から10.6%に低下。平均搭乗率は86.9%(有償ベース)と前年の85.4%から上昇し過去最高を記録。有償旅客数は約512 万人(前期は約513万人)と横ばいだった。

ピーチは関空を拠点に日本初のLCCとして2012年3月1日に就航した。現在は20機の保有機材で国内線15路線、国際線15路線に乗り入れ、1日最大約100便以上を運航。1万3000人以上を運んでいる。8月1日には関空ー釧路線を就航させ、今年度中に新千歳空港を第4の拠点空港とする計画だ。

井上慎一CEO(最高経営責任者)は「(新千歳から那覇まで)日本列島を縦断する形で拠点を置くことで、海外から入って日本を南北に移動できる体制が整う。政府が掲げる2020年の訪日客4000万人、2030年の6000 万人達成に向け、日本のインバウンド需要を牽引していく」とのコメントを発表した。

ピーチは同じANAグループのバニラ・エアと20年3月(19年度末)までに統合するが、井上CEOは「これまで以上にピーチらしさ、独自性を発揮し、アジアのリーディングLCC目指して日本とアジアの空を盛り上げる」と決意を込めた。統合後の20年以降は保有機材で50機超、国内・国際線合計で50路線以上の規模で日本とアジアを結ぶ計画だ。

日本のLCCで最も順調に成長してきたピーチ。初の減益となったが、あくまでも拡大路線は維持している。並みいるライバルを抑え、アジアでも「空飛ぶ電車」として確固たる地位を示せるか。これからの歩みが大切になる。

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