韓国のアシアナ航空(Asiana Airlines)が1日、相次ぎ遅延便を出した。その理由は機内食の到着が間に合わなかったから。機材繰りはよく聞く話だが、「機内食によるディレイ」は極めて異例。乗客に30ドル(3300円)相当のクーポンを配るなどして事態の収拾を図った。

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※クーポンは機内食を提供できなかった乗客向けに、30ドルから最高50ドル分(5500円)を手渡した。

機内食会社変更でトラブル

問題が起きたのは、仁川国際空港発の国際線。アシアナ航空は、スイス・チューリッヒに本社を置く機内食大手のゲートグループホールディングス(gategroup Holding、中国・海南航空系列)と合弁で「ゲートグルメ・コリアGate Gourmet Korea)」を設立。7月から30年間の契約で、機内食の製造を、独ルフトハンザグループのLSGスカイシェルフから切り替える予定だった。

しかし今年3月、建設中だったゲートグルメ・コリアの工場が火災に遭い、製造開始が遅れることが確定。LSG社との契約を引き延ばそうとしたが折り合わず、今月1日から「シャープDO &CO(Sharp DO &CO)」に切り替えた。

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(シャープDO &COの製造拠点)

シャープDO &COは韓国の航空サービス大手「シャープアビエーションK(Sharp Aviation K)」と、オーストリアのケータリング会社DO & COによる合弁会社で16年3月に稼働したばかり。

1日約3000食分の供給実績しかなく、アシアナ航空へ約10倍の機内食を納入する必要に迫られ、輸送障害を起こした。マンパワーが足りないため、今後もトラブルが続く可能性がある。

5時間以上の遅延も

午前9時5分に出発予定だった中国大連行きのOZ301便は5時間以上遅れて出発。アシアナ航空の仁川発国際線はこの日、82便のうち81便が遅延、1便は欠航した。36便は機内食を積み込まずに出発した。

初日から配膳に失敗するという大失態。遅延するぐらいなら、機内食を積まずに出発してほしいと思った乗客も多かっただろう。

アシアナ航空は航空会社を格付けする英スカイトラックス(SKYTRAX)で最高評価の5つ星に輝くが、最近は衝突事故が重なっている。「5スター」にふさわしくない、緊急事態である。

【2018/07/02夜追記】
機内食が間に合わないというトラブルは2日も続き、アシアナ航空の仁川発国際線では日本路線を含めて遅延便が続発した。

4日目にようやく会見、自殺者も

【2018/07/04追記】
機内食トラブルは3日間たっても収束せず、アシアナ航空は金秀天(キム・スチョン)社長の名前で3日に謝罪文を発表。アシアナ航空の親会社「錦湖(クムホ)アシアナグループ」の朴三求(パク・サムグ)会長は4日午後になってようやく記者会見に姿を見せ、謝罪した。

今回の問題をめぐっては、シャープDO &COから機内食の包装を請け負っていた会社の社長が2日、自宅で遺体で見つかり、今回のトラブルを受けての自殺との見方が強まっている。

【2018/07/06追記】
錦湖アシアナグループの社員約300人が6日、ソウルの
世宗(セジョン)文化会館前内で抗議集会を開催。朴三求会長の退陣を求めてシュプレヒコールを上げた。出席者は自殺者を追悼し、黒服に身を包んで参加。素性がバレないよう仮面で顔を覆い隠すなどしていた。

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