アルプスの山肌に、機体が無惨に打ちつけられた。

スイス東部のアルプス山脈に4日午後、旧軍用機が墜落した。1939年にドイツのユンカース(Junkers)社が製造したプロペラ機「Ju52」で、退役後、遊覧飛行に使われていた。ツアーで乗り込んだ乗員3人と乗客17人の計20人全員が死亡した。

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(ユーエアーのホームページより)

スイス南部のイタリア語圏ロカルノ(Locarno)からアルペンツアーに繰り出し、チューリッヒ近郊のデューベンドルフ(Dübendorf)へ向かっていた。墜落したのは、標高約3000メートルのピッツ・ゼーグナス(Piz Segnas)中腹で標高2540メートル付近。ヘリコプターで救助が行われ、死亡した乗客はオーストラリア人の家族を除き、全員がスイス人だった。

運航したのは、スイスのJu-Air(ユーエアー)。ビンテージ軍用機を使ったツアーなどを提供している。

ユンカースはドイツの航空機・エンジンメーカーで、ドイツ空軍に軍用機を供給してきた。なかでも、Ju52は「Aunt Ju」として知られ、ドイツ空軍が第二次世界大戦中、輸送機や爆撃機として使ったことで知られる。

Ju52が最初に軍事投入されたのはスペイン内戦(Spanish Civil War)で、1937年のゲルニカ爆撃に加わった。その後、スイス空軍が最後のJu-52機3機を退役させたのは1982年だった。

墜落したJu-52は通算で1万時間以上飛行していた。最後に検査を受けたのは昨年の7月で、乗員は3人ともベテランだったという。機長は62歳で旧スイス航空(Swissair)で30年以上パイロットをし、2004年からJu52を運航していた。

ユーエアーはホームページを更新し、事故について謝罪。予定していた運航を全て取りやめた。

この事故の直前、スイスではニトヴァルデン(Nidwalden)準州のアルプス山脈にも小型機が墜落。夫婦と子供2人の家族4人が亡くなった。アラン・ベルセ(Alain Berset)大統領は亡くなった計24人に哀悼の意を示した。

度重なる悲劇。ただ冥福を祈りたい。