米国のシアトル・タコマ国際空港(Seattle-Tacoma International Airport)で10日午後8時ごろ(日本時間11日正午ごろ)、ホライゾン航空(Horizon Air)の旅客機が盗まれ、無許可で離陸。約1時間半後に墜落した。乗客乗員は1人もおらず、盗んだ29歳の男の単身自殺との見方が強まっている。

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ホライゾン航空の親会社、アラスカ航空(Alaska Airlines)が墜落直後、公式ツイッターを更新し、盗まれたのは76人乗りのターボプロップ機「ボンバルディアQ400型機」で、空港から40キロ(25マイル)ほど離れたピアース郡ケトロン島(Ketron Island)の近くに墜落したことを明らかにした。

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その後、アラスカ航空は旅客機を盗難、操縦したのは、ホライゾン航空の従業員だったと公表した。盗難機が低空飛行、急旋回を繰り返す姿は、空港近くの住民が撮影しており、緊急発進したF-15戦闘機が追いかけるなか、降下して墜落した。




男の身元が特定

【2018/08/12追記】

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(亡くなったリチャード・ラッセル氏/AFP)

米の複数のメディアによると、男の名はリチャード・ラッセル氏(Richard Russell)。ニックネームは「Beebo」で、既婚者。高校時代はサッカーの選手だった。日本では整備士という報道が先行しているが、2015年から空港のグランドサービス部門で働いており、航空機のけん引や荷物の積み下ろしなどを手伝っていた。

操縦士免許は持っておらず、ビデオゲームやフライトシュミレーターで操縦を覚えたという。犯罪歴はなかった。

Just a broken guy




米シアトルタイムズは、ホライゾン航空の元同僚の談話として「物静かで仲間から好かれていた」というコメントを紹介した。ラッセル氏の家族は「暖かく、親切で優しい人だった」と突然の出来事にショックを受けている。その人となりは、上記の動画からもうかがえる。

ラッセル氏は10日午後7時32分にシアトル・タコマ空港を飛び立ち、およそ1時間後に墜落した。フライト中の管制官とのやり取りが音声で残っており、ラッセル氏は墜落直前、「多くの人が自分のことを気にかけてくれている。私がしたことを聞いたら、がっかりするだろう。みんなに謝りたい。ただいかれて、ネジが数本緩んだんだ(I’ve got a lot of people that care about me. It’s going to disappoint them to hear that I did this. I would like to apologize to each and every one of them. Just a broken guy, got a few screws loose, I guess. )」と謝罪を口にした。

事故ではなく、航空機を盗んで命を絶った。男を突き動かした動機は何なのか。やりきれない思いがする。