ANA(全日本空輸)が9月、成田—ヒューストン線で宇宙フライトを展開する。JAXA(宇宙航空研究開発機構)認証の宇宙日本食を、地球上で最も宇宙に近い飛行機の中で機内食として提供。成田空港のラウンジでは、宇宙日本食を展示する。

米テキサス州のヒューストンには、NASA(アメリカ航空宇宙局)のジョンソン宇宙センターがある。ANAの宇宙フライトは、9月12日の「宇宙の日」から20日の「空の日」までの9日間で、JAXAと連携し、“空”と“宇宙”がコラボしたフライトを企画する。

JAXAでは、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する日本人宇宙飛行士のため、宇宙日本食を認証している。一方、ANAは今年1月、「宇宙事業化プロジェクト」を立ちあげ、宇宙旅行や高速輸送の可能性を調査している。航空業界における宇宙事業の活性化、国際宇宙ステーション活動の周知を目指して「宇宙フライト2018」を企画した。

宇宙日本食とは、日本の宇宙飛行士に日本食の味を楽しんでもらい、長期滞在の精神的ストレスを和らげ、仕事の効率の維持・向上につながるメニューを、JAXAが評価。8月時点で16社32品目が認証を受けている。

カレー、緑茶、ようかん、ガム

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機内で振る舞う宇宙日本食は、

ビーフカレー(ハウス食品)
ISS長期滞在用に特別に開発された。ウコンをハウス食品の通常品の2倍配合し、カルシウムを1袋250mgと大幅に強化したのが特徴。無重力の宇宙船内で地上とは異なる味覚の変化に対応するため、スパイシーで濃い味にしている。

緑茶(三井農林)
厳選された国産茶葉のコクに宇治抹茶の旨味を加え、スプレードライ製法ですっきりした飲み心地に仕上げた。水にもお湯にもさっと溶け、宇宙空間でもやすらぎと団らんのひとときを手軽に楽しめる。

小倉ようかん(山崎製パン)
もともと保存性に優れた煉り羊羹の原料品質、温度や時間などの煉り条件、充填条件などを厳格に管理し、長期保存を可能とした。

キシリトールガム ライムミント(ロッテ)
さわやかなライムの香りとミントの清涼感が特徴のキリトール配合チューインガム。 宇宙空間でも気軽に噛めて、歯も守る。

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このうち、ビーフカレーは成田発便のみ。ファーストクラスとビジネスクラスでは、好きなときに楽しめる軽食の一つとして、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスでは、メインメニューの選択肢の一つとして提供する(つまり、成田発便のメインメニューは、このビーフカレーか、ANAオリジナルとんかつ丼から選ぶことになる)。

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緑茶はプレミアムエコノミークラス、エコノミークラスのドリンクサービスで振る舞う。ようかんはセルフサービスのスナックとして並べ、キシリトールガム(写真上)は到着前に客室乗務員から手渡しする。

宇宙の日は、JAXAの宇宙飛行士毛利衛さんが日本人として初めてスペースシャトルに搭乗した日を記念し1992年に制定された。宇宙の日当日の9月12日には午前10時から20分間、成田空港第1ターミナルの搭乗口でJAXAの大西卓哉宇宙飛行士を迎えてイベントを開催。宇宙日本食を展示し、搭乗客には搭乗証明書やオリジナルステッカーを配る。

ラウンジでは宇宙食、宇宙服を展示

9月20日までの宇宙フライトの期間中は、成田空港第5サテライトのANAラウンジで宇宙日本食と船外宇宙服を展示。利用者にはキシリトールガムを配る(なくなり次第終了)。機内では大西宇宙飛行士によるスペシャルビデオメッセージを流し、エコノミークラスではオリジナルのミニカードをプレゼント。12日の初便以外の乗客にも、機内で搭乗証明書やオリジナルステッカーを手渡す。

毛利さんの搭乗から26年。一般人にとってまだ宇宙は遠いが、ANAのフライトで、宇宙が少しだけ身近になる。