アバターと呼ばれる分身技術を活用し、宇宙空間を開拓するプロジェクトが6日、始動した。

中心となるのは、ANAホールディングスと宇宙航空研究開発機構(JAXA)。「AVATAR X Program(アバターエックスプログラム)」と命名し、宇宙事業への参入を目指す企業や団体と手を組み、宇宙空間で建設事業を手がけたり、宇宙ステーションや宇宙ホテルを保守運用したり、宇宙でエンターテインメントを展開したりと、広範囲に活動する。



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ANAは今年3月、「ANA AVATAR VISION」という構想を発表した。SF映画の「AVATAR(アバター)」のように、遠隔地のロボットを自らの分身として行動させ、遠く離れた宇宙へ「瞬間移動」したかのような経験ができる世界を目指している。構想の実現に向け、ANA主催の国際賞レースもスタートさせた。

「AVATAR X Program」では、4つの段階を踏んで、瞬間移動にとどまらない多彩な宇宙関連事業の立ち上げを目指す。

地上→宇宙空間→月面・火星

まずは、革新的な技術や知見を持つ新興スタートアップ企業、異業種企業、産官学の各方面から参加を募り、「コンソーシアム」という共同体を発足。事業計画やロードマップの作成に着手する。

続く第2ステップでは、月や火星の宇宙環境をイメージした大分県の技術実証フィールド「AVATAR X Lab@OITA(アバターエックスラボアット大分)」を舞台に、実証実験と事業性検証を積み重ねる。

フィールドには、建築事務所「CLOUDS Architecture Office」がデザインしたシンボル建造物を置き、実証実験に必要な通信や研究設備などを整備。将来、人類が宇宙空間で生活するために欠かせない「探す・みつける」「楽しむ・学ぶ」「建てる」「暮らす」「医・食・住」の5つの軸も検証し、19年からは事業会社化する。

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第3ステップでは、地上から宇宙へと飛び出す。2020年代序盤を目指し、宇宙空間(地球低軌道)で技術の実証実験と事業性を検証し、各事業を立ち上げる。完成となる第4ステップでは、事業を月面や火星にまで広げる計画だ。

宇宙ビジネスには世界中から有望な企業が参画に乗り出している。ANAやJAXAが束ねるジャパンチームはその主役になれるか。壮大なプロジェクトが幕を開けた。

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