インドネシア最大のLCC(格安航空会社)ライオン・エア(Lion Air)の旅客機が29日、ジャワ海に墜落した。水深30〜35メートルまで沈み、乗り込んでいた乗客乗員189人のほとんどが命を落としたとみられる。

墜落したのは、ジャカルタ(Jakarta)からリゾート地のバンカ島パンカルピナン(Pangkal Pinang)に向かっていたJT610便。新型機のボーイング737MAX8型機で、8月15日に就航。まだ2カ月ほどしか使用しておらず、累計フライト時間も約800時間だった。

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(離陸後まもなく消息を絶った/Flightradar24)

同機は午前6時20分(日本時間午前8時20分)にスカルノ・ハッタ国際空港を離陸し、およそ10分後に管制塔との連絡が途絶えた。乗客のうち2人は幼児、1人が子供、20人はインドネシアの財務省職員だった。ライオン・エアによると、機長は6000時間、副操縦士は5000時間の飛行経験があったという。

インドネシアでは、国営ガルーダ・インドネシア航空が1997年に墜落事故を起こし、乗客乗員234人(乗客222人、乗員12人)全員が亡くなって以来の規模の大惨事となった。

ライオン・エアはジャカルタに本拠地を置き、2000年に運航を始めた。低価格を武器に急成長を遂げ、国内線ではシェアトップ。インドネシアの民間航空最大手で、シンガポールやマレーシア、中国などへも路線を持つ。

かつてはブラックリスト

インドネシアの航空会社は2007年、安全性に懸念があるとして、全社がEU(欧州連合)の領空を飛ぶことを禁じる「ブラックリスト」に載った。ライオン・エアは2016年6月にブラックリストから脱し、今年6月14日にインドネシアの全航空会社がブラックリストから外れたばかりだった。今回の事故により、再び規制が強まる可能性はあり得る。

東南アジアを席巻するLCC。次々と新たな路線が開かれ、随分便利になった。しかし、全ては安全あってのフライトだ。インドネシアでは9月末にも大地震があり、多くの方が犠牲になった。相次ぐ悲劇に心を痛む。今はただ、静かに冥福を祈りたい。

乗客乗員全員が死亡

【2018/11/03追記】
今回の事故では、乗客乗員189人全員が死亡した。また、遺体や墜落機の残骸を捜索していたダイバー1人も2日に亡くなった。

ダイバーは、インドネシア人のシャフルル・アント(Syachrul Anto)さん(48)で、9月の地震でも職務に当たった。減圧症が死因とみられている。

190人もの命を奪った今回の事故。この教訓を次代につなげてほしい。

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