JAL(日本航空)の国内線で昨年8月以降、乗務前のアルコール検査で社内基準を上回るアルコール量が検知されたケースが19件あり、このうち12便でパイロットの手配などを理由に出発が遅れていたことが15日、明らかになった。
JALは10月末、英国で男性副操縦士が規定値の9倍を超すアルコール量が検知されたとして逮捕されたばかり。酒が残っている状態で乗務に臨むのが社内で常態化していた可能性がある。
JALの社内規定では呼気1リットル当たり0.1ミリグラムのアルコールが検知された場合は乗務できない。昨年8月、国内線のアルコール感知器を新型に変更。旧型の感知器は息を吹きかけるだけで測定値は保存されず、呼気をそらすなどすれば正しく反応しないケースがあった。新型はストローで息を吹き込むタイプで測定値がすぐに表示。データはオンライン上に保存されるため、今回は記録をさかのぼれる新型導入以降に絞って調査した。
英国では乗務前の社内検査で異常が見つからず、現地警察による検査で基準値を大幅に上回るアルコール量が検出された。JALは海外でまだ旧型の検知器を使っており、検査をすり抜けた疑いが強まっている。
16年6月には別の男性副操縦士が金沢市内で泥酔のうえ警察官を殴り、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。社内では乗務12時間前を過ぎてからの飲酒を禁じているが、これだけ検出者が多いことをみると、本当に守られているのか疑いたくなる。
JALは16日に再発防止計画を発表するが、飲酒問題根絶に向け、真摯に向き合った報告をしてほしい。
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