またもやパイロットの飲酒が、航空便の遅延につながった。28日午前、鹿児島空港で日本航空グループの日本エアコミューター(JAC、鹿児島県霧島市)の40代男性機長から基準量を上回るアルコール量が検出。交代要員の確保により、約1時間遅れの出発となった。
遅延したのは、鹿児島発屋久島行きのJC3741便。機材は、ボンバルディアDHC8-Q400型機(機体番号:JA851C)で、乗客は16人(幼児は0人)、機長1人、副機長1人体制で午前8時50分に出発する予定だった。アルコール検査を受け、機長を急きょ交代。後続の3便にも遅れが生じた。
機長は、出発1時間前の午前7時50分ごろ、鹿児島空港で乗務前の呼気検査を受けた。社内基準では呼気1リットル当たり0.1ミリグラムまでが許容範囲だったが、検出されたアルコール量はその2倍に当たる0.2ミリグラムだった。
JACによると昨年以降、乗務前に基準値を超すアルコールを検出した事例が今回以外に2件あったという。28日、書面により「乗務員の飲酒に関し厳格な対応が求められている中、このような事例を発生させてしまいましたことを、大変重く受け止めています。また、お客さま、ご関係のみなさまに、ご迷惑をおかけしましたことを、重ねて深くお詫び申し上げますとともに、再発防止に向けた取り組みを徹底してまいります」とのコメントを発表した。
社内では、乗務12時間前以降の飲酒を禁じている。「12時間前」というのは、日本の航空業界のスタンダードだが、12時間にどこまで意味があるかは疑問だ。半日以上前に相当な深酒をしていた場合は、翌朝になってもアルコールが残っているからだ。
親会社のJAL(日本航空)、そしてANA(全日本空輸)をはじめ、このところ飲酒問題が続発しているが、裏を返せば、これまで明るみになっていなかっただけなのかもしれない。この機に業界の膿をしっかり出し切ってもらいたい。
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