羽田空港で1月15日から自動運転バス(写真下)の実証実験が始まる。ANA(全日本空輸)など6社が連携し、1月25日まで空港の制限エリア内を往復。2020年以降の実用化を目指す

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実証実験に取り組むのは、ANAとソフトバンクグループのSBドライブ、先進モビリティ、愛知製鋼、NIPPO、NECの6社。

ANAとSBドライブは昨年2月21日から8日間、羽田空港の新整備場地区の公道約2.3キロで、自動運転バスの実証実験を実施。車両走行制御技術や遠隔運行管理システムを検証した。今回は、実用化に向けた「次のステップ」と位置付けて場所を移した。

制限エリア内では、航空機や特殊車両が行き交い、地上支援業務が行われる。一般公道とは大きく異なる空港特有の環境下で、自動運転バスの走行に必要な環境整備などを検証するのが目的で、実用化に向けた課題の抽出も行う。

実験では、市販の小型バス日野ポンチョ」(日野自動車製)をベースに、先進モビリティが改造した自動運転バスを使用。一般乗客はおらず、関係者のみとなるが、羽田空港の第2ターミナル本館とサテライト(別棟)間の片道約600メートルを「自動運転レベル3」で往復する。

「磁気マーカー」を埋設

今回は普段、乗客を輸送し、貨物を運搬するルートを走行する予定で、より高い精度で車両位置を調整しながら走行することが求められる。

一方、周囲の遮蔽物によりGPSの電波を取得できないエリアがあり、走行ルートに沿って「磁気マーカー」を埋設し、車両の底部に設置した高感度磁気センサー(MIセンサー)で検知することで安定的に車両位置を自動調整できるようにするという。

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(磁気マーカーシステムのイメージ)

磁気マーカーは、IoTやビッグデータ時代に対応すべく新たに開発。RFIDタグが付いており、国内で初めて「次世代磁気マーカー」を空港制限区域内に埋設して読み取り性能を検証する。

オペレーターは遠隔地から、SBドライブの遠隔運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」を利用し、バスの運行を管理する。バスの乗降地点で、スタッフが乗降完了したことをオペレーターに伝達。オペレーターはDispatcherでバスが発車可能な状況であることを確認する。

ルート上には、航空機のエンジンによるブラスト(高温・高圧の排気)を避けるための停止線があり、バスはそこで一度停止した後、オペレーターがDispatcherでブラストの状況を確認して走行を再開させる。

バスには、自動操舵装置や自動ブレーキ制御装置、GPS受信機、LiDAR、走行制御ECU、 磁気マーカー用センサーユニットを搭載した。

国土交通省は「航空イノベーションの推進」と「地上支援業務の省力化・自動化」を掲げ、全国4空港で、自動運転バスの実用化を目指しており、羽田空港は乗客乗員の輸送を想定した国内初の自動走行実証実験となる。

今年は、自動運転に向けた勝負の年になる。実用化へ大いなる一歩となるだろうか。