嬉野温泉で今回選んだ宿は、「ホテル華翠苑」。ヤフートラベルで5000円引きとなるクーポンを獲得したのがきっかけだった。

ソフトバンクのスマホユーザーのため、ヤフープレミアム会員でもあり、「今すぐポイント割引」で5000円引きにプラスしてさらに宿泊料の5%分が割り引かれる。もともと持っていたTポイント145ポイントも使って、計6490円引き。1泊2食付き、消費税とサービス料込みで2人で2万5478円だった。

女性客に色浴衣と下駄をプレゼント

実はこのプラン、特典があった。



女性向けに色浴衣と帯、下駄のプレゼント付き。通常は3500円かかるが、宿泊料に込み込みだった。あいにく外は大雨だったため、そぞろ歩きはできず。しかし、浴衣はなかなか買う機会もないため、1着いただけるのは、かなりありがたい。

受付の横にこんなゆるキャラがいた。


ゆっつらくんと呼ぶ。

湯おけをまとい、背中に嬉野茶の羽根が生えた妖精だという。佐賀では「ゆっくり」を「ゆっつら」というそうで、嬉野温泉に「ゆっつら」しに来てね、というメッセージが込められている。

嬉野温泉は日本三大美肌の湯とされる。その歴史は古く、肥前国風土記(712年)に「東の辺に湯の泉ありて能く、人の病を癒す」と記されている。神功皇后が戦の帰りにこの地に立ち寄り、川中に温泉が湧いているのを発見。その湯が負傷した兵士の傷を癒したのを喜んで「あな、うれしの」と言ったことからこの地名になったとも伝わる。

このホテルは地下1階から9階まであり、最上階に露天風呂がある。われわれの部屋は7階の洋室。



2010年と比較的最近リニューアルされたからか、内装はきれい。
もちろん、畳敷きの部屋もあるが、洋室の方が若干リーズナブル。ベッドも広くてワイファイも完備。快適に過ごせた。


お茶菓子もあった。
佐賀塩キャラメルナッツクッキー窯元めぐり
窯元という名前を見て、有田焼に唐津焼と器を見てもいいなあ、と思ったが、時間がない。 またの機会になりそうだ。


ふぅ〜!と旅の疲れを癒すパンちゃんとニョロ。このブログでも随分久しぶりの登場となった。
 
1時間半のフルコース

到着が18時40分と遅かったため、風呂に入るより前に19時からすぐ夕食をいただいた。

食事は朝食ともども、2階の食事処で提供される。料理長は、平安時代から続く四條流庖丁式の継承者だといい、随所に創作料理が散りばめられていた。


食前酒が中央右の緑色。緑茶と焼酎、温泉水、豆乳をブレンドした逸品で、まろやかで飲みやすい味。中央左はサツマイモのペーストにアントシアニンを重ね、柿のジュレが載った、これまた独創的な前菜だった。

刺身や一口サイズの献立の盛り合わせ。


女性は浴衣、そして男性の特典は、生ビールだった。ほんの少量かと思いきや、意外と注いでくれた。


こちらは角煮豆腐。


もみじを動かすと、このように角煮がお目見え。珍しい組み合わせだが、とろとろの角煮と豆腐がベストマッチだった。


そして地鶏の朴葉味噌焼き。


食べ応えのある鶏肉に濃いめの味噌が絡む。白ご飯があったら、最高なのだが。ここまでまだ出てこない。お品書きを見ると、メインディッシュの後、かなり後ろの方に書かれている。

食事のペースはゆっくりで、1時間以上かけてメニューが運ばれてくる。弾丸旅行に慣れた早食いのわれわれには遅く感じるぐらい。でも、これぐらいのほうが、フルコースを味わっている感じがしていいのかもしれない。


なかなか待って、サーモンのパイ包みが出て来た。


佐賀産のミカンを使ったオレンジソースとサクサクのパイ生地とともに、サーモンの旨味が口の中に広がる。あっという間に、おそらく1、2分で平らげた。

周りのテーブルと合わせて料理を運ぶからだろう。また一呼吸置いて、メインディッシュが運ばれてきた。


佐賀のポークのしゃぶしゃぶである。ただのしゃぶしゃぶではない。茶しゃぶだ。


このように、野菜からまずグツグツ煮て、最後に豚肉をいただいた。ゴマだれにつけて食べる。野菜のだしがしみてうまかった。

ここでようやく待ちに待ったご飯が登場。


長かった……。実に長い葛藤だった。夢しずくという地元産の米だった。マツタケのお吸い物と漬物も。やはり日本人はこれがないと始まらない。

ご飯はお代わり自由だったため、3杯頼んだ。


締めは嬉野茶ップリンという洒落た名前の抹茶プリンだった。ごちそうさまでした。

時刻はもう20時半だった。都合、1時間半も食事していたことになる。後のミッションは温泉に入るだけだ。

このホテルには9階の露天風呂と、地下1階に大浴場がある。ホテルの目玉である露天風呂。その名も「空中露天風呂」にお邪魔した。

(男湯「月の湯」。ホテルのホームページより。晴れていれば、星空も望めるのだが。。。)

が、大雨もあって、フロア全体が閑散としている。脱衣所で服を脱ぎ、ドアを開ける。すると、風邪を引くと思うほどの寒気が肌を刺した。

それでも男子風呂には先客が1人いた。自分も続けとばかりに寒さをこらえ、体を洗っているうちにもう1人加わった。

決死の思いで風呂に入ると、これがまるで美容液のようなぬめり。美肌の湯と讃えられる意味がすぐに分かった。温度も熱すぎず、本当にちょうどいい。

惜しむらくは雨である。頭だけが猛烈に冷たい。

「明日にしようか、と思ったけど、来てしまった」
「こんな時期に台風っていうのが、異常なんだわ」

先達2人が世間話に興じる。何事もなかったかのようにタオルをかぶってリラックスするその対応力が素晴らしい。

外で妻が出てくるのを待っていると、なぜかエレベーターに乗って下から上がって来た。あまりの寒さに「入ったら風邪を引くわよ」と言われ、地下1階の大浴場に切り替えたらしい。

「シャンプーバーもあったし、お茶も飲み放題だったわよ」とほっこりした表情。我慢して入った私はいったい。。。

部屋に戻り、先ほど買い込んだ地酒「東長」をぐいっとやるはずだった。冷蔵庫にも冷やしておき、準備は万端。しかし、台風のさなか、駆け抜けてきた弾丸旅行でひどく疲れていたのだろう。目を閉じたら、もう朝まで目覚めることはなかった。

一方の妻は日付が回った頃に目覚め、明日観光するルートなどを調べていたもよう。ぐーすか寝ていた私にややご立腹していたようである。

結局、妻も朝方になって再び眠りにつき、二人そろって寝坊。昨晩、宿の人に朝食は7時半から(キリッ)と言っていたにもかかわらず、起きたら8時を回っていた。朝食は8時半までのため、慌てて食事処に向かう。


朝はザ和食という献立で、どれも体に優しい。嬉野だけにうれしい気遣いだ(ダジャレになっていないが)。


ご飯と味噌汁が運ばれ、準備は万端。
ご飯は昨夜と違って、佐賀日和という品種。こちらの方が個人的にはおいしく感じた。やはりお代わり自由で、朝からしっかり3杯食べた。 


こちらがメニュー。地の物もしっかり入っている。


メインは名物でもある熱々の温泉湯豆腐。嬉野産大豆「ふくゆたか」を使った豆腐で、グツグツと熱せられた光景が食欲をそそる。

妻は傍に置かれた「スーパー雲仙エッグ」に目をつけ、あろうことか割ってそのまま鍋に投入。何をするのかと思ったら、温泉卵だった。う、うまそうである。その発想に感心した。


海苔のパッケージには「美味しい朝。佐賀だからこそのおもてなし」とあった。もちろん、この海苔もご飯に合ったが、御膳の左上にある料理長謹製佐賀牛肉みそがこれまたうんまい。無我夢中で食べたため、接写するのを忘れていた。ご飯が進むくんになった原因だ。

最後に昨日入りそびれた大浴場へ。お寝坊さんでも、チェックアウトまで入れるのが地味にうれしい。

もう9時を過ぎていたからか、貸切状態だった。

(男湯「唐泉の湯」。ホテルのホームページより)

半身浴や寝湯が楽しめるように浅めに設計されており、お湯の成分は露天風呂と同じで申し分ない。肌がつるつるになった。窓からは著名な庭園デザイナー、石原和幸氏が手掛けた庭が見える。石原氏は長崎県出身で、国際ガーデニングショーの最高峰「英国チェルシーフラワーショー」で最高賞のプレジデント賞を獲得した。

 大浴場には嬉野茶のサービスがあり、自由に飲める。


風呂上がりにごくごく飲めるのはうれしい。


タオルをのせた、こんなモニュメントも。

8時過ぎには出発するはずだったが、気付けば「ゆっつり」して、9時半を回ってしまった。到着時には暗かったので、建物を撮り直す。


お気付きだろうか。入り口に記念写真用のパネルが置かれており、宿のおじさんが快く撮影してくれた。

直前の予約だったが、土曜日にしては比較的リーズナブルで特典も充実。肌も潤い、大満足の1泊2日だった。この宿、2014年夏刊行の「ミシュランガイド福岡・佐賀」にも掲載されている。嬉野温泉のオススメ宿である。