米国発祥の「エースホテル(Ace Hotel)」が19年末、京都に進出する。日本だけでなく、アジア初となるエースホテルは、地下鉄烏丸御池駅と直結。外国人観光客であふれる京都の中心部に新たなランドマークが誕生する。

エースホテルは1999年、米シアトルに1号店をオープン。現在は米国、英国で9ホテル(※)を展開している。遊び心を取り入れ、ホテルごとに異なったデザインを採用。宿泊者に加え、地元の交流拠点として地域や地元企業ともコラボして運営している。

(※)ホテルがあるのは、シアトル、 ポートランド、 ニューヨーク、 パームスプリング、 ロンドン、 ロサンゼルス、 ピッツバーグ、 ニューオリンズ、 シカゴ。

「エースホテル京都」はNTT都市開発(東京・千代田区)が手がける。大正期の建築である旧京都中央電話局(京都市指定・登録文化財第一号)の建物を生かし、同社が2001年に開業した「新風館」の跡地を活用。建築家の隈研吾氏をデザイン監修に迎え、大林組が施工する。

新たな息吹を吹き込んできたエースホテルのブランドと、新風館の再開発計画。 両者がタッグを組むことで、数々のホテルがしのぎを削る京都に新風を吹き込み、 世界中の旅行者や地域の人々の交流拠点となることを目指すという。

再開発計画は新風館の「伝統と革新」というコンセプトを継承し、「この場所ならではの魅力を持つ京都のランドマークとなる開発」を新たなコンセプトに加えた。

IMG_2125
(再開発計画のフロア構成)

幹線道路の烏丸通沿いにあり、地下1階と1階に飲食・物販などが集まる商業店舗を導入。2階から7階をエースホテルとする。

地下2階で京都市営地下鉄烏丸御池駅と直結し、1階の中庭は地域に開放。商業店舗が軒を連ねる烏丸通から東洞院通を繋ぐパサージュや姉小路通への通路を設け、 回遊性を高める計画だ。

中庭で歴史と対話

隈研吾氏が手がける外観のデザインは、姉小路通、 東洞院通など京都の通りの繊細さをイメージし、細やかなルーバーや木組みを多用した。

隈氏は「平安時代から様々な庭が造られてきたこの場所に、 地域とホテル、 そして現代と過去がつながる濃密な庭を造ろうとした。 京都の和の伝統を引き継ぐ木組みと、 日本の近代建築の巨人吉田鉄郎の設計した京都中央電話局の赤レンガがこの中庭で出会い、 木とレンガが新しい会話を始めるだろう」とコメントした。

コンクリートに酸化鉄を混入し、 塗装に頼らない 暖かい発色を試みるなど、隅々までディテールとマテリアルを重視したという。

IMG_2123
(烏丸通側から見たエントランスイメージ)

 IMG_2124
(東洞院通側から見たエントランスイメージ)
 
NTT都市開発とホテル運営委託契約を結んだエースホテルのブラッド・ウィルソン(Brad Wilson)社長は「日本で事業を展開することは、 長年の夢だった。 京都の美と歴史に敬意を表しながら、 世界に広がるネットワークと新しいカルチャーを育む空間を造るという夢の完成を目指す」とコメントした。

ホテルは昨年10月に着工。敷地面積は6384.73平方メートルで地下2階、地上7階建。延べ床面積は2万5677平方メートルで、高さ31メートル。ホテルは213室を予定する。地下1階と1階の店舗面積は約2300平方メートルとなる見込みだ。

数は多くないが個性派ホテルとして知られるエースホテルが、唯一無二の文化を育み世界中の人を魅了する京都にやって来る。京都風のエースホテルがどんな化学反応を生むのか、今から楽しみだ。