お務めを終えた旅客機が、整備訓練の舞台に生まれ変わる。

ANA(全日本空輸)が7月から整備訓練専用機に充てるのは、退役したボーイング737-500型機。大型ジェット機を退役後、1機丸ごと訓練用機材に使うのは日本で初めての試みで、安全の要である整備品質に磨きをかける。

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(整備訓練用になるボーイング737-500型機)

ANAは技術系採用の新入社員に対し、航空機のシステムや整備法を学ぶ講義を実施。航空機の一部を模したモックアップ(模型)で整備作業の基礎を学ぶ訓練を積んだ後、格納庫の中で実機を用いた実技経験を重ねてきた。

運航路線が増え、保有機材も増えるなか、いち早く実技経験を積むのが肝要だが、ANAによると、現在の訓練方式では技術の習得までにかなり時間がかかるのが課題だったという。

その課題を解決するのが、退役機の再活用だった。運航機材に影響を与えずに整備経験を積み重ねられるだけでなく、1機丸ごと訓練専用機とすることで、模型では得られない多様な整備作業を体験できる。

失敗を早い時期から経験し、空き時間に知識の再確認をすることも可能。しかも大型機なので、大勢の新入社員を一度に受け入れられて効率的だ。

安全性を高めるにはとにかく地道に場数を踏むしかない。模型ではなく実機を使った訓練は整備士としての勘を養うのにもいい気がする。

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