JAL(日本航空)は14日、2020年の夏ダイヤの就航を目指しLCC(格安航空会社)を設立すると正式発表した。アジアや欧米など中長距離が守備範囲で、成田空港を拠点に路線を広げる。

JALは豪カンタス航空や三菱商事とともにLCCのジェットスター・ジャパンに出資している。ジェットスター・ジャパンは従来通り日本国内線と短距離国際線を専門とし、LCCの新会社と共存させる。「両社を有機的に活用することにより新たな需要を創出する」(JAL)計画で、それぞれが重複しない路線を開拓していく。

787-8型機を2機、300席弱

新会社はJALの連結子会社とし、ボーイング787-8型機を2機使ってスタートする。座席数は300席弱で、就航から3年以内での黒字化を目指す。LCC事業に100〜200億円を投じる。

ちなみにシンガポールのLCCスクート(Scoot)の関空—ホノルル線が、同型機で329席(スクートビズ18席、エコノミー311席)。ANA(全日本空輸)も日本国内線では同型機を335席で運用している。

これらより座席数はやや間引かれるが、300席近く詰め込むとなると、通常のJAL国際線(200席前後)と比べてシート間隔は当然ながら窮屈になる。さらには、2機でのスタートとなるため、いきなり何路線もとは考えにくい。就航地を絞った上での出発となる。

FullSizeRender

中長距離だけあって、ターゲットとするエリアはかなり広い。1万3000キロ圏内で基本的にアフリカや南米は外れるが、787-8型機で飛び立てるエリアは全て候補に含まれる。

JALによると、旺盛な訪日観光客の需要を取り込む狙いで、まずは今年7月に準備会社を立ち上げる。就航目標は「成田空港が機能強化する2020年のサマースケジュール」。JAL以外の出資者を募る可能性もあるといい、代表者も新会社の設立時に決める。会社名(商号)はJALを想起させない別ブランドとする方針だ。

LCCは東西対決に

ライバルのANAホールディングスは、20年3月(19年度末)をめどに傘下のピーチ・アビエーションとバニラ・エアのLCC2社を統合する。JALの新LCCもほぼ同時期の設立となるが、アジアにとどまらず、欧米という文言を盛り込むことで、ANA陣営との差別化を図った。

ANA側はピーチに一本化するため、どちらかといえば関空が拠点になりそうだ。成田のJALか、関空のANAか、東京五輪の年にLCCの東西対決が火蓋を切る。

▪️関連記事: